「楽になること」の罠

Lake view in Hokkaido
Pink sunset by the lake in Hokkaido
Wheat Autumn
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「楽になること」の罠

山の中腹から望む日の出
4〜6分

すっきりする感覚は本物です。でも、それはクラリティとは、少し違うものかもしれません。

物を手放したあとの感覚を、あなたも知っているのではないでしょうか。長年着ていない服、読まない本、部屋を狭くしていた家具。それらが消えたとき、空間だけでなく、呼吸そのものが変わる気がします。その感覚は本物だし、それ自体は良いことだと思っています。

断捨離という言葉が広まったのは、まさにその感覚を言語化したからでしょう。持たないことが自由の証になり、手放すことが美徳になりました。ミニマリズムは生き方の哲学になっていきました。

私もその感覚を知っています。でも、ここ数年で気になっていることがあります。「手放す」という論理が、物だけでなく、自分自身にも適用されはじめているのではないか、ということです。

能力。時間をかけて身につけた知識。手間のかかる関係性。重く感じるアイデンティティの一部。「今の自分に必要かどうか」という問いではなく、「今、軽く感じるかどうか」で判断が下されるとき——何かが違う方向に動いているように感じます。

日常の忙しさは、この判断をさらに鈍くします。疲れているとき、締め切りが迫っているとき、「最低限何を持っていれば機能できるか」という問いが、「本当は何を大切にしているか」という問いを追い越してしまいます。それは危機の中では合理的な選択です。でも、それが日常のデフォルトになったとき、少しずつ何かが削られていく気がします。

手放したのか、それとも諦めたのか

「楽になる」感覚と「クリアになる」感覚は、似ているようで違います。楽さは即時的なもので、神経系がほっと息をつく瞬間です。クリアさはもう少し時間がかかります——自分が本当に手放したいものと、ただ重く感じているものを、静かに区別できたときに訪れます。

その区別は、急いでいるときにはできません。だからこそ、たまに立ち止まることが大切になります。何かを「もっと手放すため」ではなく、何が本当に自分にとって価値があるのかを確かめるために。

その問いに正直に向き合うためには、ある種の静けさが必要です。それは性格の問題ではなく、練習できるものだと思っています。

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Kaeko

中川 佳英子
Emotion Code®, Body Code®, Access Bars® 認定プラクティショナー
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外部セラピスト(サノビブメディカルインスティチュート)

大阪生まれ。人生の半分をイギリスで過ごし、現在は東京を拠点に活動中。
好きなこと 旅行、アート(やるのも見るのも)、語学を勉強すること、散歩、読書、自然。

2024〜 10年来の友人であり、心理学者のフェルナンド・エストレーリャとポッドキャストHoshirioの配信を始める。合わせて日本語解説動画をメインに展開する自身のチャンネルKaeko Nakagawa 愛される私になるエネルギーヒーリングもスタート。もっと読む

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