何かが変わるとき、きっかけはいつもシンプルで些細なことです。
今回は「自分が感じていることに気づく」ことについてお話しします。この実践を始めると、慢性的なトラブルが減り、自分のやりたいことにより集中できるようになるため、生産性も向上します。私もこれを実践し始めてから、2009年の頃と比べてずいぶんと生きやすくなりました。
この「感じていることに気づく」というプロセスには、二つの意図があります。
- 自分の感情そのものに気づくこと
まずは、自分が感じている感情、たとえば「怒り」に気づきます。ここでは、自分がその感情を体験している状態です。 - 自分が常に何かを感じながら生きている存在であることに気づくこと
次に、感情だけでなく、その感情が存在する環境や状況も俯瞰し、「今、自分は〇〇について怒っている」と広い視点で捉えます。これは「怒っている自分」を一歩引いた位置から体験することです。
この二つの意識を持つことで、感情を無理に変えようとせず、自然に扱えるようになります。単に感情を消費するだけでなく、その感情を超えて、より高い視点から自分を俯瞰することができるようになるのです。
初めは、感情の中に巻き込まれることもあるかもしれませんが、二つ目の意図を実践することで、感情の渦中にいるのではなく、その外から見ることができるようになります。これにより、自分の感情をより客観的に捉えることができ、感情に振り回されることが減ります。
例えば、私自身も感情が動くときに、その感情がまるで目の前に渦巻いているかのように感じるようになりました。その渦中で揉まれる感覚から解放され、感情を客観的に観察することができるようになりました。これにより、感情に対する理解が深まり、より自由に創造的な活動ができるようになったのです。
この「自分が感じていること」を創造的なプロセスに活かす段階については、また別の機会に詳しくお話しします。まずは、自分がどれほど多くのことを常に感じながら生きているのかを理解し、自分の生きている世界を深く知ることから始めてみてください。